ビジネス書、夢はボトルの中に 「世界一正直な紅茶」のスタートアップ物語、おもしろさを3つ紹介する!

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この投稿を書く理由?

夢はボトルの中に 「世界一正直な紅茶」のスタートアップ物語は、飲料メーカーとして、アメリカでトップブランドを築いた、オネストティーの物語だ。
 
梅田の紀伊國屋で見つけた時、スタートアップ物語と言葉を見て、事業を起こしたばかりの自分も、学ぶところがあるに違いないと思って、ページをめくった。
 
夢はボトルの中には、ビジネス書としては珍しいコミック本だ。
 
アメリカ人のイラストレーター、サンギョン・チョイ(Sungyoon Choi)という女性がコミックの部分を担当していて、表紙のイラストも彼女のものだ。
 
というわけで、今回の投稿では、ビジネス書として、夢はボトルの中に 「世界一正直な紅茶」のスタートアップ物語のどこがおもしろかったか、3つのポイントにしぼって書いていきたい。


オネストティーの創業者、セス・ゴールドマン、バリー・ネイルバフの2人がおもしろい!

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夢はボトルの中に の主人公は、オネストティーを創業した、セス・ゴールドマン(Seth Goldman)と、バリー・ネイルバフ(Barry Nalebuff)の2人だ。
 
セスは、世界を良いほうへ変えたいと願う優等生で、1994年にイェール大学の経済大学院で、大学教授をしていたバリーと出会う。
 
バリーは、ゲーム理論のエキスパートとして知られる大学教授で、自分の理論を、実社会で証明するチャンスを求めていた。
 

2人は立場が異なるだけでなく、タイプの異なる人間でもある。

 
セスは情熱があり、良心的な価値観の持ち主で、常に正しいことを実現したいと願い、楽観的な考えの持ちぬしだ。
 
バリーは論理的な思考が得意で、知識にあふれ、頭の回転が速く、ちゃめっ気たっぷりの性格で、ちょっと変人だ。
 
ビジネスであれ、チームであれ、人間というのは、一緒に同じほうへ進んでいると、相手への不満、怒り、考えの違いみたいなものが生まれてくるものだ。
 
友達と一緒にビジネスを始めて、結局、友情もビジネスも崩壊してしまうというのは、ビジネスの世界で起こりがちな、あるある話だろう。
 
夢はボトルの中にで、バリーが「一番大切なのは、一緒にいて楽しい人を、ビジネスパートナーにすることだ」と語っているように、セスとバリーは、もともと合う関係だったようで、意見が対立したり、喧嘩になったりすることがない。
 
映画や小説などの物語の世界では、1人の強力な主人公よりも、異なるタイプの2人のコンビを描いたほうが、展開やドラマに広がりが生まれて、物語がおもしろくなりやすいという法則がある。
 
夢はボトルの中にのセスとバリーは、まるで優れた物語に登場するコンビのように、優れたコンビネーションで、さまざまな問題を解決して、オネストティーを発展させていく。
 

そんな2人の人間ドラマが、おもしろくないわけがない!


セスとバリーが、困難を乗り越えながら、オネストティーの理想を追求していくのがおもしろい!

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セスとバリーが オネストティー を創業して、最初に目指したのが、甘さをおさえた本物のボトル入り紅茶を生産して、販売することだった。
 
甘さをおさえた紅茶なんて、普通にある飲料じゃない? そう思うかもしれないけど、セスとバリーが創業したのは1998年のアメリカで、まだアメリカでも健康志向が高まっていない時代だ。
 
当時のアメリカでは、500ml飲料に、平均して12杯の砂糖が入っていたそうだ。
 
セスとバリーが最初にぶつかるのが、本物の茶葉を煮出して飲料を作ってくれる工場が、なかなか見つけられないことだった。
 
さらに、規模拡大を追求するために必要な資金の調達、流通ルートの開拓、代金の未払い、自社工場の購入、ティーバック事業の失敗、異物の混入、人間関係の問題…など、次から次へと困難にぶつかる。
 
セスとバリーは、そのたびに知恵を出しあい、懸命に努力しながら、本物の素材を使った、本物の味を提供しようという理想を追いかけつづける。
 

夢はボトルの中にを読んでいると、困難や問題の解決、理想の追求、売上アップの3つを同時にこなしながら、セスとバリーがオネストティーを運営している姿が見えてくる。

 
典型的なサクセスストーリーの中に、ビジネスを進めていく難しさや、思わぬ敵の存在などが正直に描いてあり、胸が熱くなっておもしろい!


オネストティーの背後にあるビジネス理論と、飲料業界の裏側がわかって、おもしろい!

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先にも書いたが、バリーはゲーム理論のエキスパートとして大学教授を続けながら、オネストティーの運営もしていた。
 
夢はボトルの中に では、さまざまビジネス理論を紹介しながら、オネストティーの戦略や狙いが、なぜそうなるのかをうまく解説している。
 
例えば、ベビーシッター理論というのを紹介して、なぜオネストティーが高級な原材料を使っているのか説明したり、経済学の二重限界性の問題という理論を紹介して、なぜ多くの飲料メーカーが値上げできないのかを説明したりする。
 
また、 夢はボトルの中に では、いかに優れた飲料を開発したとしても、流通ルートを開拓しないと、商品を販売することもできないという、当たりまえだけど簡単に解決できない飲料業界の裏事情もふんだんに描かれている。
 
流通業者同士がライバル関係で、もめ事が発生したり、オネストティーと同じような新興のライバル企業に、企業秘密をパクられたり、甘い融資話で大手の飲料メーカーが事業だけ買収しようとしてきたり、ビジネスの裏にある企業間戦争の現実がおもしろい。
 
セスとバリーは、消費者、投資家、従業員に対して、つねに正直で誠実な姿勢(Honest : オネスト)を貫こうとするのだが、 夢はボトルの中に を読んでいると、それがビジネスの世界において、いかに難しいことなのかよく分かる。

まとめ

 
スタートアップ物語と書いてあるのに興味を持って、夢はボトルの中にを読みはじめた僕だが、このビジネス書で描かれているのは、セスとバリーという2人が、ビッグ・ビジネスを築いていく物語だった。
 
僕のようなスモール・ビジネスを立ち上げたばかりの人間にとっては、残念ながら参考になるところは少なかった。
 
ただし、自分のことを考慮せず、純粋に読んでいくと、めちゃくちゃおもしろい典型的なサクセス・ストーリーが、コミックという理解しやすい表現で描かれていて、本当におもしろかった!
 
それが証拠に、夢はボトルの中にを読み終わった瞬間、僕は、オネストティーを日本で買うことができないものか、Amazonさんで検索してみたほどで、日本では未発売で残念でならない。
 
1998年に、セスとバリーが創業したオネストティー(Honest Tea)は、2015年現在、コカ・コーラの完全子会社となり、今でも2人が運営をしている。
 
世の中には、本当にスゴい人たちがいるものだと思うと同時に、オネストティー日本でも発売されないかな?と考える、今日この頃である。
 
 

2015.10.11 - おの なおと


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