ゼロのちからという本で紹介されていた、世界中のスゴいNPOを紹介する! 前編
目次
- ⇒ この投稿を書く理由?
- ⇒ Dress for Success
- ⇒ DoSomething
- ⇒ Teach for America
- ⇒ Mozilla Foundation
- ⇒ Make-A-Wish Foundation
- ⇒ VolunteerMatch
- ⇒ Idealist
- ⇒ Citizen Schools
- ⇒ charity: water
- ⇒ Rodrigo Mendes Institute
- ⇒ KaBOOM!
- ⇒ Habitat for Humanity
- ⇒ New York Road Runners
- ⇒ Medicins Sans Frontières(MSF)
- ⇒ NothingButNets
- ⇒ DonorsChoose
- ⇒ Share Our Strength
- ⇒ Human Rights Campaign
- ⇒ Women for Women International
- ⇒ Robin Hood Foundation
- ⇒ Yayasan Cinta Anak Bangsa Foundation (YCAB)
- ⇒ Millennium Promise
- ⇒ KIND
- ⇒ OneVoice
- ⇒ TOMS Shose
- ⇒ Acumen Fund
- ⇒ まとめ
この投稿を書く理由?
2015年前半に読んだビジネス書の中で、もっともすばらしい内容だったのが、ナンシー・ルブリンという女性が書いた、ゼロのちから - 成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11だった。
というわけで、さっそく3月にオススメ本としてブログで紹介させてもらったわけだが、この本には、ナンシー・ルブリンの優れた知恵や経験だけでなく、彼女が知っている世界中のすばらしいNPOも紹介されていた。
ゼロのちからを読めばわかるのだけど、世界には、大小に関わらずさまざまな問題を解決しようとしているNPOが存在している。
すべてのNPOがそうであるわけではないし、本当にスゴいNPOというのは、きっとごく僅かな数だろう。
それを理解した上で、今回の投稿では、ゼロのちからでナンシー・ルブリンが紹介している、世界のNPOを紹介してみたいと思う。
あまりに数が多いので、今回はその前編ということになる。
今回、僕が注目してほしいのは、紹介しているNPOの中に、ビジネスに通じるようなアイディアで問題解決をしようとしているNPOがあることだ。
もう1つ、ほとんどのNPOがWebサイトを充実させて、戦略の中心に位置させていることだ。
Webサイトのデザイン1つだけに注目しても、あれこれ学ぶことが多いだろうし、NPOなどの慈善事業に興味がある人にとっては、こんなことをしている人たちもいるんだ!という発見もあると思う。
縦に長~いページだけど、ぜひ読んでもらえたらと思う。
Dress for Success
Dress for Successは、ゼロのちからの著者であるナンシー・ルブリンが創業したNPOで、低所得の女性が企業などの面接へ行くときに着るスーツを貸し出すなどして、女性の自立を支援している。
ゼロのちからでは、彼女がどんな状況から、Dress for Successを始めたか、印象的な創業物語も語られている。
世界中で事業を展開していて、年間5万人以上の女性を支援している。
ちなみに、Dress for Successは2009年に、NPOにもかかわらず若者向けの最優秀サイトとして、優れたウェブサイトに贈られるWebby Awardsを受賞している。
DoSomething
DoSomethingは、アメリカの俳優であるアンドリュー・シューが1993年に設立した、10代の若者のためのボランティア仲介サイトを運営しているNPO。
2003年、傾きかけた事業を改革するため、ゼロのちからの著者であるナンシー・ルブリンがCEOに就任して、事業の立て直しに成功している。
Teach for America
Teach For Americaは、アメリカでアイビー・リーグと呼ばれている名門私立大学の卒業生たちの間で、いちばん競争率の高い就職先となっているNPOだ。
優秀な大学卒業生を、全米各地の教育困難地域へ2年間赴任させるという事業で、1990年にウェンディ・コップが設立した。
最近、アメリカのビジネス書で数多く取り上げられていて、アメリカでは非常に有名。
また、Teach For Americaは、先生として赴任する人たちの教育やトレーニングにも注力していて、ネットを活用して授業のテクニックや方法などを共有し、アメリカ政府より多くの教育に関するデータを持っている。
Mozilla Foundation
Mozilla Foundationは、オープンソースのWebブラウザであるFirefox、オープンソースのOSであるFirefox OS、無料のメールソフトであるThunderbird、などを開発しているNPO。
インターネットにオープンで革新性を広めるために、多数のボランティアによって開発が進められている、世界的にも珍しいプロジェクト。
現在は、ジョン・リリーという人物がCEOを務めていて、開発を助けているボランティアたちは、Mozillianと呼ばれていて、日本もふくめて世界中に強力なコミュニティが存在している。
Make-A-Wish Foundation
Make-A-Wish Foundationは、1980年に設立された、難病の子供たちの夢を叶えることを支援するNPO。
警察官になるのが夢だった白血病の少年を、死の直前に地元警察官が「名誉警察官」に任命したことから始まった。
2013年11月にサンフランシスコを舞台にして、ある男の子の夢を叶えるため、1万人以上の市民が協力して、彼のバッドマンになりたいという夢を実現させて、大きなニュースになったことがある。
その活動をしているのが、Make-A-Wish Foundationである。1992年には、日本にも支部が設立されている。
VolunteerMatch
VolunteerMatchは、ボランティアしたい個人と、受け入れ先となるNPOをつなぐマッチングサイトを運営しているNPO。
1994年に、マーク・ベニング、ジョアン・エルンスト、スティーブ・グリクバーグ、シンディ・ジョーブの4人によって設立された。
1998年からこれまでに、9,417,170件の紹介を行ってきた実績を持っている。
ボランティアが行われる場所、種類などによって、ボランティアを探すことができるようになっていて、NPOとは思えない便利さである。
Idealist
Idealistは、非営利団体での仕事、インターンシップ、同じ関心を持つ人などを探すことができるWebサイトを運営しているNPO。
1996年に、アミ・ダーが設立して、現在は40人ほどの開発者がいるらしい。
YouTubeにある彼らの動画を見てみると、NPOとは思えない綺麗なオフィスで仕事をしていて、なんかすごく羨ましい。
107,883の組織が、Idealistを使ってきた実績があるそうで、NPOとは思えないパワーも持っている。
Citizen Schools
Citizen Schoolsは、アメリカ各地の32箇所の中学校をネットワーク化して、教育困難地域の子供への教育支援を行なっているNPO。
1995年に、エリック・シュワルツ、ネッド・リマーによって設立された。
不確かな語学力で、彼らのサイトを読んでいると、高所得者の子供たちは、低所得者の子供たちと比べて、年間で300時間も大人一緒に過ごす時間があるそうで、それが教育に大きな差を生み出しているそうだ。
charity: water
charity: waterは、開発途上国に清潔で安全な水を提供するために、2006年にスコット・ハリソンが設立したNPO。
20ドルで、途上国の住民1人に、20年間分の水を提供できるというのが売りで、100%寄付によって運営されている。
Webサイトをスクロールしてみれば分かるのだが、NPOとは思えない、デザイン性の高いWebサイトになっていて、思わず感心してしまった。
また、ページの上部は、動画が流れるようになってて、スゴいね。
Rodrigo Mendes Institute
Rodrigo Mendes Instituteは、芸術的活動や教育、職業訓練、ワークショップを通じて、若年層に能力や活力を与えようとしているブラジルのNPO。
1994年に、ロドリゴ・メンデスが設立している。
社員の多くがアーティストで、自分の子供をNPOの授業に連れてきても良いことになっているそうで、なんかとっても楽しそうな団体だ。
KaBOOM!
KaBOOM!は、地域の人たちと一緒になって、子供のための遊び場・公園づくりを支援しているNPOで、1996年にダレル・ハモンドが設立した。
これまでに350万人の子供のために、1,900以上の公園を作っているそうで、Disneyもパートナー企業。
紫色、オレンジ色という珍しい組み合わせのカラーを使っていて、楽しさを感じさせるWebサイトになっている。
Habitat for Humanity
Habitat for Humanityは、貧困や災害に苦しんでいる人々に対して、住居を提供しているNPOで、1976年にミラード&リンダ・ミラー夫妻が設立した。
現在では、多くの国に支部があり、 日本にもある。最近では、ネパール地震の支援に力を入れている。
New York Road Runners
New York Road Runnersは、ニューヨーク・シティマラソンなどを主催しているNPOで、1958年に設立された。
4万5000人以上の会員がいて、ニューヨーク市に住んでいるランナーを手助けする組織として、信頼できるブランドを築き上げている。
Medicins Sans Frontières(MSF)
Medicins Sans Frontières(MSF)は、貧困地域や災害・紛争地域における緊急医療を、世界の各地で行っているNPO。
日本では 国境なき医師団として知られている、
自分があまりに無知すぎて情けなるけど、国境なき医師団ってNPOだったのね。知らんかった~(汗)
1971年にフランスで発足し、日本では1992年に支部ができたとのこと。
最近では、アフリカで蔓延したエボラ出血熱の対応や、ネパール地震の被災者救済にも積極的に関わっている。
NothingButNets
NothingButNetsは、国連の資金によって2006年に発足したNPOで、マラリア根絶のため発展途上国で蚊帳を配布している。
マラリアは、ハマダラカによって媒介される病気で、蚊帳によって途上国の人たちがハマダラカに刺される危険を減らしている。
DonorsChoose
DonorsChooseは、公立学校の教師が行う教育改善プロジェクトと、寄付者をつなぐWebサイトを運営しているNPO。
2000年に、チャールズ・ベストが設立した。Webサイトを実際に見ると、教育改善プロジェクトがKickstarterのように資金を集めるクラウド・ファウンディング(ネットでの資金調達)みたいなシステムになっていて、とても興味深い。
Human Rights Campaign
Human Rights Campaignは、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの人権擁護に取り組んでいるNPOで、1980年にスティーブ・エンディーンが設立した。
そもそもは、ゲイの人権を守ろうとする政治家や団体へ、金融的な支援を行うために設立されたそうで、1995年にもっと広く、さまざまな活動で人権擁護に取り組むようになった。
Women for Women International
Women for Women Internationalは、戦争・紛争などの被害にあった女性たちを支援しているNPOで、1993年にザイナビ・サルビが設立した。
ザイナビ・サルビは、父親がサダム・フセインの個人パイロットだったそうで、子供時代に、何度かサダム・フセインと週末を過ごした経験を持っている。
Women for Women Internationalは、これまでに26万8000人を超える女性を助け、7800万ドルもの資金援助を行っている。
Webサイトだけで、年間1100万ドルもの寄付を集めているそうで、それだけ驚きだ。
Robin Hood Foundation
Robin Hood Foundationは、ニューヨークにおける貧困削減に取り組んでいる団体を支援しているNPOの財団で、1988年に設立された。
ジョージ・ソロスなど金業界の大物から、有名企業などが理事を務めている。
毎年、ニューヨークで開いている大規模なエンターテイメントのイベントが有名で、そこでザ・フー、レッド・ツェッペリンの再形成したこともある。
NPOというと、まじめで地道に問題を抱えた人たちや地域を助けるという印象が強いが、Robin Hood Foundationは、自分たちの活動を超カッコいいものとして位置づけている。
日本では受け入れにくいかもしれないけど、僕はおもしろいアプローチだなと思う。
Yayasan Cinta Anak Bangsa Foundation (YCAB)
Yayasan Cinta Anak Bangsa Foundation (YCAB)は、インドネシアのストリート・チルドレンに対する生活改善や支援、教育やコミュニティ育成などに取り組んでいるNPOで、1999年にベロニカ・コロンダムが設立した。
ロボット型の動物のおもちゃを製造して販売する収益と、寄付によって運営されている。
Webサイトでは、ストリート・チルドレンと思われる子供たちの写真が多く使われていて、心ある人なら、誰でも何かしてあげたいと思ってしまう賢いデザインになっている。
ちなみに、Yayasan Cinta Anak Bangsaとは、国の子供たちへの愛の財団という意味だそうである。
Millennium Promise
Millennium Promiseは、2015年までにアフリカにおけるミレニアム開発目標の達成を使命として活動しているNPO。
2005年に、コロンビア大学教授ジェフリー・サックスと、国連事務総長マラリア特使レイモンド・シェンバーが設立した。
ちなみに、ミレニアム開発目標とは、国連が定めた、極度の貧困を解消するための開発目標のこと。
Millennium Promiseでは、食料、水、環境、テクノロジー&イノベーション、教育、男女平等、母子の健康、ビジネスでの改善を進めているそうで、2015年の今年、どんな成果が発表されるのか、気になるところだ。
KIND
KINDは、アラブ人とイスラエル人が協力して、果物とナッツのお菓子を製造している社会的企業。
2003年に、ダニエル・ルベツキーが設立したもので、ルベツキーは、社会起業家に送られるさまざまな賞を受賞している。
Webサイトでは、オレンジ、赤、緑、水色の4色がメインカラーになっていて、ロゴマーク、おかしのパッケージなどで繰り返し使うことで、うまくブランドを確立している。
OneVoice
OneVoiceは、イスラエル・パレスチナ間の紛争を、非暴力的手段による解決を目指しているNPO。
上で紹介しているKINDを設立したダニエル・ルベツキーが、2002年に設立した。
テルアビブ、ラマッラー、ガザに拠点があり、イスラエルとパレスチナの経済的な結びつきを強くするための活動や、さまざまなキャンペーンを展開している。
TOMS Shose
TOMS Shoseは、リサイクル素材から靴をつくって、売れた数だけ、南米やアフリカ農村部の子供たちに靴を与える社会的企業。
2006年にブレーク・マイコスキーが設立した。アルゼンチンを訪れたとき、多くの子供が裸足の生活を強いられているのを目の当たりにして、始めた。
Webサイトで売られている靴を見ると、どれもカッコ良くて、社会的企業ということに関係なく、優れたブランドを作りだしている。
TOMS Shoseは、優れた社会的企業の代表格として、アメリカン・エキスプレスの広告に取り上げられたこともある。
Acumen Fund
Acumen Fundは、開発途上国の貧困問題に取り組む社会起業家や、開発途上国の企業を支援するNPOのベンチャーキャピタルファンド。
2001年にジャクリーン・ノヴォグラッツが設立した。NPOとは思えない、ポップさ、カラフルさ、カッコよさがあって、素晴らしいWebサイトである。
まとめ
というわけで、日本よ、これが世界のスゴいNPOだ! ゼロのちからで紹介されていたスゴいNPO・前編では、全部で26個のNPOを紹介した。
数が多いので、Webサイトを見つけて、内容を調べて紹介するだけでも、けっこう大変だった。
まとめてみると、どのNPOも、ブランド、デザイン、SNS、使っている写真など、NPOとは思えないほど質の高いWebサイトで、正直とても驚いたし、いろんな意味で参考になるNPOが多かった。
次回の投稿では、この後編を書くつもりでいる。
もちろん大変な作業になるだろうから、少しばかり時間が必要になるだろうと思う。
いろんな意味で参考になるので、きっと誰かの役に立つページになってくれと願うばかりである。
このブログを運営して、初となるデザインと仕組みの変更を行った。よりシンプルに、より使いやすくを目指して、新たにサイドバーを加えたり、メインカラーなども変えてみた。ブログの更新については、地道にマイペースに進めていくので、今後ともよろぴく。