RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?


この投稿を書く理由?

2015年の冬、友達のオーストラリア人アニメーターから紹介されたのが、RubberHoseという、After Effects用のスクリプトだ。
 
RubberHose開発者のWebサイトへ行き、上で紹介している動画を見た瞬間に、RubberHoseがすばらしいスクリプトだとわかって、すぐに購入した。
 
というわけで、今回の投稿では、RubberHoseについて紹介していく。
 
上の動画を見れば、RubberHoseがどんなスクリプトで、どうすばらしいのか理解できると思うけれど、それだけだとちょっと不親切なので、あれこれ解説していきたいと思う。


After EffectsでIK(インバースキネマティクス)を実現できる、RubberHoseってどんなスクリプト?

RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像01

RubberHose ってどんなスクリプトで、なにがそれほどすばらしいのか?
 
今までは、After Effectsでキャラクターを作って、手足を動かそうとする時、手、上腕、二の腕、足、ふくらはぎ、太もも…とそれぞれのパーツを親子関係でつなげて、回転を使って動かすのが普通だった。
 
すると、変えるパラメーターが多くて大変だし、親を動かすと子も一緒に動いてしまうし、不可能ではないけれど、大変な作業になってしまう。
 
RubberHoseがすばらしいのは、After Effectsで IK(インバースキネマティクス) という方法で、手足を動かせるようになるからだ。
 

IK(インバースキネマティクス)とは、なにか?

 
あなたの体が、After Effects上のキャラクターだと想像してほしい。
 
親子関係でパーツをつなげて、回転を使って動かすというのは、あなたが手足を動かすのに、それぞれの関節の角度をいちいち考えながら動かすのと同じだ。
 
誰も、そんな大変な方法で手足を動かしたりしない。
 
普通の人間であれば、手足を動かそうとする時、目的の場所に手や足を直接行かせようとするするだろう。すると、関節が自動的に角度を変えてくれるので、誰でも簡単に手足を動かすことができる。
 
それが、IK(インバースキネマティクス)だ!
 

手や足を目的の場所へ動かすと、関節が自動的に角度を変えてくれる。

 
RubberHoseというスクリプトを導入すると、After EffectsでそのIK(インバースキネマティクス)を使えるようになる。
 
すごく便利でしょ?


After EffectsでIK(インバースキネマティクス)を実現できる、RubberHoseってどう購入するの?

RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像02

というわけで、RubberHoseを導入する方法を紹介しよう。
 
RubberHoseを開発したのは、アメリカ在住のAdam Plouffさん。
 
まず、彼が運営しているBattle AxeというWebサイト、RubberHoseのページへ行ってみよう。
 
⇒ RubberHose ー Battle Axe
 
ページのTOPが上の画像みたいになっているので、「 BUY NOW 」のボタンを押すと、下の画像が表示されて、ここから購入することができる。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像03

 
購入するボタンを押す前に、ライセンスをいくつ購入するかを選ぶ必要がある。
 
僕の調べた範囲では、1ユーザーにつき1ライセンスであるらしく、10ライセンス以上を購入する場合は、スタジオ・ライセンスというのを購入することになるそうで、別個に連絡を取らなければならない。
 
購入するボタンを押すと、下の画像のような表示が現れる。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像04

 
Eメールアドレスと、カード情報を入力して、「 支払う 」のボタンを押すと、購入できる。
 
ちなみに、記入したEメールアドレスに、RubberHoseをダウンロードできるメールが届くので、絶対にアドレスを間違わないように気をつけよう。
 
Battle Axeから下の画像のようなメールが届くので、ダウンロードしよう。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像05

 
「 RubberHose_1.04 」というフォルダをダウンロードできる。

After EffectsでIK(インバースキネマティクス)を実現できる、RubberHoseってどう導入するの?

 
さっそく、After Effectsに導入してみよう!
 
フォルダを開くと、3つのフォルダが入っている。
 

  • 「 RubberHose_ReadMe 」PDFファイル、
  • 「 for_CS6 」フォルダ、
  • 「 into_ScriptUI_folder 」
 
使っているAfter EffectsがCS6の場合は、「 for_CS6 」のフォルダを開いて、使っているAfter EffectsがCCの場合は、「 into_ScriptUI_folder 」を開こう。
 
ほとんどの人がCCを使っていると思うので、以降はCCの場合で説明していく。
 
「 into_ScriptUI_folder 」フォルダを開くと、「 RubberHose 」フォルダと、「 RubberHose 」jsxbinファイルが入っているので、この2つをコピーする。
 
続いて、パソコン内に、After Effects CCのフォルダがあるので、それを開く。
 
その中にある「 Scripts 」というフォルダを開いて、続けて、その中にある「 ScriptsUI Panels 」というフォルダを開こう。
 
そこに、先ほどコピーした「 RubberHose 」フォルダ、「 RubberHose 」jsxbinファイルをペーストしよう。
 
続いて、After Effectsを起動させて、 環境設定 一般設定 を開こう。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像06

 
すると上の画像のようなパネルが開くので、そこにある、「 スクリプトによるファイルへの書き込みとネットワークへのアクセス許可 」にチェックを入れよう。
 
OKボタンを押したら、After Effectsを再起動。
 
最上部のメインメニュー ⇒ ウィンドウを開くと、「 RubberHose.jsxbin 」があるので、クリックして、下の画像のようなウィンドウを表示させよう。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像07

 
これで、After Effectsへの導入は完了だ!

After EffectsでIK(インバースキネマティクス)を実現できる、RubberHoseの基本的な使い方?

 
RubberHoseの使い方をすべて書くことはできないので、基本的なところだけを紹介していきたい。より詳しい使い方については、英語のチュートリアル動画があるので、それをまとめのところに設置しておく。
 

RubberHoseを使うのに、一番大切なのが順序だ。

 
下の画像では、左にRubberHoseを使う前のウィンドウ、右に必要な設定を行っているウィンドウを並べて表示している。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像08

 
 

① 最初に、システム全体の名前を決める!

 
というのも、一度システムを作ってから、 コンポジションのウィンドウ内で、レイヤーの名前を変えようとすると、RubberHoseの仕組みが壊れるからだ。
 
名前を変えるには、RubberHoseウィンドウ内にある、「 Rename 」というボタンを押して、あれこれ操作する必要がある。
 
 

② 次に、2つの目印となるレイヤーの名前を決める!

 
RubberHoseでは、レイヤーを作るボタンを押すと、3つのレイヤーが作られて、それぞれに名前が付けられる。
 
上の画像のようにタブが開くようになっているので、そこから選ぶ。
 
腕であれば、Shoulder/Wrist、足であれば、Hip/Ankleという感じで選ぶ。
 
ちなみに、タブの中の名称は、「 RubberHose Settings 」というボタンを押すと、変更したり、新たな名前を作ったりすることができる。
 
 

③ 「 New RubberHose system 」というボタンを押す!

 
①と②を終えてから、③のボタンを押すと、3つのレイヤーができる。
 
すると、下の画像のようになる。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像09

 
RubberHoseは、全部で3つのレイヤーで構成されていて、両端の目印や曲線は、シェイプレイヤーを活用して作られている。
 
なので、シェイプレイヤーの構造を理解していて改造ができる人は、曲線のデザインなども簡単に変更できるようになっている。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像10

 
一番上のレイヤーをクリックすると、上の画像のように、エフェクトコントロールのウィンドウに、曲線の性質を変えるための設定が現れる。
 
ここの数値を変えることで、曲線の性質や曲がり具合などを変えられる。
 
あとは、目印のついた2つのレイヤーを動かしてやるだけで、曲線が自動的に曲がってくれるという仕組みになっている。
 
目印のついた2つのレイヤーは、それぞれ別のレイヤーと親子関係を作ることもできる。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像11

 
さっそく、WristとShoulderのレイヤーを近づけてみた。
 
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エフェクト設定の中の数値を変えると、こんなこともできる。
 
RubberHoseは、After Effectsでキャラクターの手足を簡単に動かすことができる、便利なスクリプト?の画像13

 
パッキリ折れた線も可能。
 
RubberHoseを使えば、After Effectsでいろんな動きや表現が、可能になりそうな気がしてきたんじゃないだろうか?
 
ちなみに、2016年2月の時点で、RubberHoseは3Dレイヤーには対応していないので、3Dで使いたい場合は、工夫が必要になる。

まとめ

RubberHoseの詳しい使い方については、Battle AxeのWebサイトでもあれこれ紹介してあるので、ぜひそちらで研究してほしいと思う。
 
After Effectsでキャラクターの手足を動かすというのは、かなり大変な作業だったのだけれど、RubberHoseのIK(インバースキネマティクス)を使うことで、かなり楽になるし、よりユニークな動きや表現も可能になることだろう。
 
僕が現在作っている最中のアニメーションでも、いくつかRubberHoseを使っているところがあるので、完成したら、ブログでも紹介できたらと思っている。
 
というわけで、RubberHose、すばらしいスクリプトなので、ぜひあなたのブロジェクトにも活用してみてほしい。
 
 

2016.02.10 - おの なおと


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