『ハクソー・リッジ』はスゴい戦争映画であると同時に、素晴らしい人間ドラマでもあった!

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『ハクソー・リッジ』を紹介したい理由?

その理由は、『ハクソー・リッジ』が素晴らしい戦争映画だったからだ。
 
映画としての『ハクソー・リッジ』、映画で描かれている事実そのもの、それらがあまりにスゴくて素晴らしかったので、ぜひ紹介したいと思った。
 
映画を観るまで、僕が『ハクソー・リッジ』について知っていたのは、1945年の沖縄戦を描いていること、実話であること、戦争映画の傑作『プライベート・ライアン』に匹敵するぐらい戦闘場面がスゴいらしいことの3つだった。
 
戦争映画が大好きな僕のような人間としては、これら3つの事前情報だけで『ハクソー・リッジ』を観たくなってくる。ところが、実際に観ると、戦闘場面はもちろん、実在した青年デズモンド・ドスの人間ドラマそのものがスゴかった。
 
というわけで、今回の投稿では、戦争映画としての人間ドラマとしての『ハクソー・リッジ』のスゴさを紹介できたらと思っている。


『ハクソー・リッジ』のあらすじ?

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『ハクソー・リッジ』は、物語が前半と後半に大きく分かれる。
 
 

『ハクソー・リッジ』前半のあらすじ

前半では、主人公のデズモンド・ドスの家族関係を描きながら、恋人と出会い、兵隊に志願して大きな問題を起こすところが描かれる。
 
主人公の父親は、第一次世界大戦で多くの親友を失って、悲しみや苦しみを抱えていて、家庭内暴力が日常的に行われている。主人公は、そんな家庭環境で育つうちに、暴力を嫌い、人を助けたいという強い気持ちを持つようになる。
 
主人公は、怪我をした人を助けるために献血をしようとして、美しい看護婦に一目惚れする。そして、2人で映画館でデートをしている時に、主人公はニュース映画で第二次世界大戦が始まったことを知る。
 
主人公は、衛生兵として戦場で戦っている人たちを助けたいと考えて、軍隊に志願する。ところが、主人公は暴力を嫌い、決して武器を持たないという決意を持っているため、軍隊の訓練を受けることができず、大きな問題が起こる。
 
 

『ハクソー・リッジ』後半のあらすじ

後半では、主人公のデズモンド・ドスが、1945年に日米軍が激突した沖縄戦に参加するところが描かれる。舞台となるのは、沖縄戦の中でも再激戦地となったハクソー・リッジ(ノコギリ崖 : 前田高地)である。
 
主人公がいる部隊は、ハクソー・リッジを死守しようとする日本軍の激しい抵抗を前に、一歩も前進することができず、多くの兵士が死傷する。部隊はハクソー・リッジから撤退することになるが、主人公は人を助けたいという強い気持ちで奮い立ち、たった1人で勇気ある行動をしはじめる。
 
 
というのが、 『ハクソー・リッジ』のあらすじとなる。


『ハクソー・リッジ』の監督、俳優さんについて?

 

監督 : メル・ギブソン

『ハクソー・リッジ』を監督したのは、メル・ギブソン。最近、恋人へのDV騒動などがあって、個人的には悪いイメージしか持っていなかったのだけれど、『ハクソー・リッジ』を観て、映画監督としての力量がスゴいんだなと改めて実感した。
 
知らない人のために書いておくと、メル・ギブソンの本業は俳優さんで、『マッドマックス』『リーサル・ウェポン』という映画史に残るアクション映画で、ぶっ飛んだ主人公を演じて高く評価された。また、『ブレイブハート』という素晴らしい歴史映画を監督したことでも高く評価された人である。
 
 

主人公 : アンドリュー・ガーフィールド

『ハクソー・リッジ』で、主人公のデズモンド・ドスを演じたのが、俳優のアンドリュー・ガーフィールド。Facebookの誕生を描いた『ソーシャル・ネットワーク』では、主人公の仲間であり、やがて敵となる青年を演じ、『アメージング・スパイダーマン』では、主人公のピーター・パーカーを演じた。
 
僕が彼に抱いていた印象は、線が細くて、今風の青年だなというもので、あまりハリウッド映画に向いていない気がしていた。『ハクソー・リッジ』でのアンドリュー・ガーフィールドは、主人公の心にある意思の強さ、秘めている怒りや恐怖などを見事に演じていて、素晴らしい演技だった。
 
 

 主人公の父親 : ヒューゴ・ウィーヴィング

『ハクソー・リッジ』で、もう1人印象に残る演技をしたのが、主人公の父親を演じたヒューゴ・ウィーヴィングだった。第一次世界大戦に参加して、多くの親友を失った深い悲しみを抱えていて、酒に溺れて妻に暴力をぶつけてしまう父親を、見事に演じていた。
 
この役者さん、どこかで見たことがある気がするけど、誰だっけ? そう思って調べてみると、傑作SF映画『マトリックス』シリーズで、最強の敵であるエージェント・スミスを演じたのがヒューゴ・ウィーヴィングだった。


『ハクソー・リッジ』は、決して武器を持たないという主人公の決意がスゴい!

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『ハクソー・リッジ』の主人公であるデズモンド・ドスは、決して武器を持たないという決意を持っている。そんな彼が、軍隊に志願したことで、大きな問題と矛盾を起こすこととなる。
 
主人公は、軍隊に入りさまざまな訓練を受けることになるのだけれど、その中には当然のようにライフル銃の訓練もある。他の仲間たちが普通にライフル銃を受け取っていく中、主人公はライフル銃を手に持つことさえしない。
 
教官や仲間たちは、主人公の行動がまったく理解できない。というのも、第二次世界大戦で戦うために軍隊に志願したはずなのに、武器を持たないのであれば、敵と戦うことができないからだ。そんな決意を持っているなら、そもそも軍隊に志願しなければ良い。
 
デズモンド・ドスの心にあるのは、「命を奪うのではなく救いたい」という思いであり、衛生兵になるため軍隊に志願した。しかし、そんな彼の思いは軍隊では理解されず、教官や仲間たちが、武器を持とうとしない主人公の障害となって立ちはだかる。
 
『ハクソー・リッジ』でスゴいのは、軍隊という武器を扱うことが必須の環境で、主人公が自分の決意を貫こうとするところだ。教官から除隊にすると脅されても、仲間たちからいじめや暴力を受けても、軍法会議にかけられて収監されそうになっても、主人公は決意を変えない。
 
彼のような人のことを、信念が強いと見るか、頑固者と見るか、人によってさまざまな反応があるだろう。特に、その信念が周囲の人たちと大きく違っていたり、常識とかけ離れていたりする場合、信念を持ち続けること自体がとても大変なこととなる。
 
どんな仕打ちを受けても、「命を奪うのではなく救いたい」という決意を曲げない主人公の姿に、素直にスゴいやつだなと感じた。

『ハクソー・リッジ』は、日米決戦の舞台となった沖縄戦の激戦がスゴい!

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戦争映画では、実際の戦場や戦闘を、どのように描くかがとても重要となる。
 
もちろんの話だけれど、戦争映画を観る観客のほとんど(僕もその1人)は、戦争に行ったこともなければ、実際の戦場へ行ったこともない。だから、極端な話をすると、デタラメに戦場や戦争を描いても、観客にはその真偽はわからない。
 
わからないのだけど、戦争映画においては、戦場や戦闘の場面というのは、物語やテーマに深く関わってくる重要な要素であり、観客の評価を大きく左右する。
 
『ハクソー・リッジ』では、1945年に日米が激突した沖縄戦における、前田高地での戦いが描かれている。どれぐらい知られているのか分からないけれど、沖縄戦は第二次世界大戦で日米が激突した地上戦の中でも、もっとも過酷な戦場であり戦闘であったと言われている。
 
将兵と住民が一丸となって沖縄を死守しようとした、日本側が極限状況だったのはもちろんのこと、圧倒的な物量を使って、陸・海・空から攻撃をしかけるアメリカ側も、実はかなり過酷だったということが明らかになっている。
 
『ハクソー・リッジ』では、前田高地をめぐるアメリカ兵と日本兵の激突を、これでもかというぐらい正面からリアルに描いている。当時の日本人にとっては残虐極まりない兵器であった、火炎放射器も何度も登場して、日本兵を焼き尽くしている。
 
監督を務めたメル・ギブソンは、地上戦を描くのにあたって、可能なかぎり3DCGなどのVFXを使わずに、実際に爆発させ、実際に火だるまにし、実際に手足が引きちぎられた死体をいくつも作り、実際に人間に演技させることをスタッフに求めたそうである。
 
監督メル・ギブソンのこだわりは、前田高地での戦闘場面でものの見事に表現されていて、ほとんどの観客がその過酷さを追体験することとなる。あまりに正直に正面から描いているので、残酷表現が苦手だと、途中から気分が悪くなってくるかもしれない。
 
『ハクソー・リッジ』でのスゴい戦闘場面を見ていると、当時の日本兵とアメリカ兵がギリギリの状況の中で、命をかけて戦っている姿に感銘を感じた。当時の状況や歴史が、多くの兵士をそうせざるをえない状況へ進めたのかもしれないが、命をかけて戦うというのは、大きな覚悟と信念がなければ不可能だ。

『ハクソー・リッジ』は、激戦のさなかに起こした主人公の行動がスゴい!

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なぜ、決して武器を持たないという決意を持っているデズモンド・ドスが、『ハクソー・リッジ』の主人公になったのか?
 
その理由は、日本軍による反撃で、主人公たちの部隊が前田高地から逃げ出した日のエピソードで明らかになる。主人公が高地にたった1人残って、負傷して身動きできない仲間たちを探しては、見つけるたびにロープで高地から降ろしはじめるのである。
 
高地では、日本軍が偵察任務を行なっていて、生き残っているアメリカ兵が見つかると、すぐに殺されてしまう。おまけに、仲間のアメリカ兵たちは、高地から離れたところにある陣地に逃げていて、誰も主人公の孤軍奮闘を知らない。
 
主人公のデズモンド・ドスが、日本兵に見つからないように1人で戦場を駆けずりまわり、負傷兵をまた1人また1人と助けていく姿を見ていると、彼の信念と勇気に思わず圧倒されてしまう。
 
というのも、彼が前田高地から助けだした負傷兵は、1人や2人どころではない。
 
アメリカ兵と日本兵を合わせて、75人もの負傷兵を助けたのである!
 
もし、これがフィクション(創作)で、とある兵士がたった1人で75人もの負傷兵を助ける...というアイデアを脚本家が話してきたら、そんなことは不可能だしリアリティーに欠けると、誰もが笑ってしまうだろう。
 
人生を捧げるぐらい強固な信念を持っていないと、過酷な戦場でそんな行動をすることはできない。しかし、デズモンド・ドスという主人公が、上官に嫌われても、仲間たちからイジメられても、軍法会議にかけられても、信念を貫こうとする人物であることを、物語前半部分を見ている観客は知っている。
 
だから、主人公の行動に、余計に感動する。
 
『ハクソー・リッジ』は、主人公のデズモンド・ドスへの取材をもとに、現存する資料なども徹底的に取材しているそうで、ほとんどのエピソードが実話である。

最後に...

物語が終わって、エンドロールが流れるのと同時に、『ハクソー・リッジ』のモデルとなった実在の人物たちのニュース映像とインタビューが流れる。主人公のデズモンド・ドスはもちろん、主人公をバカにして嫌っていた上官のインタビューもある。
 
彼らのインタビューを見ながら、僕は、涙が止まらなくなった。
 
彼らの言葉が、特別に感動的だったというわけではなかったと思う。ただただ素朴で、率直で、激戦地から生きて帰還できたことの喜び、デズモンド・ドスの英雄的な行動への感謝、信念に従って生きることの意味、それらが僕の心に響いてきたからだろう。
 
『ハクソー・リッジ』は、スゴい戦争映画であると同時に、素晴らしい人間ドラマにあふれた映画だ。戦争という極限状況の中で、人間の信念が試される。
 
『ハクソー・リッジ』、1人でも多くの人に観てほしい映画だ!
 
 

2017.07.14 おの なおと


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