映画お嬢さんが、エロティックな欲望と時間軸が交錯するのが凄かったから、ネタバレ覚悟で紹介する‼︎

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映画お嬢さんを、ネタバレ覚悟で紹介する理由?

その理由は、お嬢さんという映画がいろんな意味で凄かったからだ。そして、その凄さを自分なりに書こうとすると、どうしても物語のネタバレになってしまう。どうせネタバレするなら、その覚悟を伝えておいたほうが、読む人も誤解がなくて済む。
 
僕が思うに、お嬢さんという映画は、物語の核心部分までネタバレしてしまったとしても、それでオモシロさが薄くなってしまう映画ではない。核心部分を知った上で、最初から物語を見たほうが、物語の構造、テーマ、表現をより深く理解できる。そういうタイプの映画のような気がしている。
 
とはいえ、それはあくまで僕の個人的な意見に過ぎない。なので、物語の核心部分をまったく知らずに、お嬢さんという映画を見たい人は、映画を見終わってから、ぜひこの投稿を読んでもらえたらと思う。
 


映画お嬢さんは、時間軸を交錯させ、登場人物たちの欲望を描いた、監督パク・チャヌクの手腕が凄かった!

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僕がお嬢さんという映画を見たいと思ったのは、オールド・ボーイという映画でその手腕を高く評価されたパク・チャヌクが監督をしていることが1つ。もう1つが、予告編を見て、男と女の欲望と愛憎がエロティックに描かれているサスペンス映画のような感じがしたからだ。映画の世界では、エロティックとサスペンスはとても相性が良い。
 
お嬢さんという映画で、監督パク・チャヌクが手法として最大限に活用したのが、時間軸を交錯させる物語展開だ。例えば、1つの場面に3人の登場人物がいるとしたら、3人それぞれの立場から、その場面にどんな意味や背景や感情があったのかを描いていく。お嬢さんという映画では、1人目の物語をまず描いて、次に2人目の物語を描いて、最後に3人目の物語を描いていくので、必然的に時間軸が交錯していく形となる。
 
時間軸が交錯していく物語というのは、サスペンスの世界ではよく使われる手法だ。なのでそれ自体は驚くことではないが、お嬢さんという映画が凄いのは、交錯していた時間軸が明らかになっていくのに従って、なにげない場面の裏側で、登場人物たちが罠をしかけたり、相手を騙そうとしたりするのが次から次へと見えてくるところだ。
 
映画の主人公であるお嬢さん、お嬢さんの世話をすることになった若い女性、お嬢さんの莫大な財産を狙っている詐欺師の男、少女の頃からお嬢さんを育ててきた大邸宅の主人...
 
どの登場人物が、すべての物語の裏側で糸を引いているのか、誰が最終的な勝利者になるのか、映画の終盤あたりで、それが徐々に明らかになっていく展開が凄かった。お嬢さんという映画を見終わった時に、さすがオールド・ボーイで世界的に高く評価されたパク・チャヌクだなと感じた人も、多いのではないかと思う。

映画お嬢さんは、欲望にまみれた2人の男と、その欲望から自由になろうとする2人の女の騙しあいが凄い!

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お嬢さんという映画では、莫大な資産を持っているお嬢さん、お嬢さんの世話をすることになった若い女性、お嬢さんの莫大な財産を狙っている詐欺師の男、少女の頃からお嬢さんを育ててきた大邸宅の主人、という4人の男女が登場人物となる。
 
お嬢さんという映画で起こる対決は、欲望を実現しようとする2人の男性と、その欲望から自由になろうとする2人の女性によって起こる。
 
男性の欲望はありきたりで実利的だ。詐欺師の男は、お嬢さんが持っている莫大な遺産を自分のものにしようするし、大邸宅の主人公は、自分の性的な欲望のためにお嬢さんを奴隷のように扱おうとする。2人の男はそのために女性を誘惑し、欲望を利用し、立場を使って支配しようとする。
 
それに対して、女性の欲望は普遍的で感情的だ。若い女性は、愛してしまったお嬢さんを男たちの欲望から守ろうするし、お嬢さんは、男たちの欲望から自由になるために若い女性までも騙そうとする。2人の女はそのために男性に騙されたふりをし、欲望を満たしてやり、従順な女だと思わせる。
 
この男性と女性の対立構造がわかると、お嬢さんという映画に張り巡らされた罠や騙しあいが急激に楽しくなってくる。
 
一番凄いのは、男女3人の欲望をすべて理解して、その欲望を満たしてやりながら、自由と愛を手に入れたお嬢さんだろう。結局のところ、お嬢さんの計画が成功するかどうかは、若い女性が自分のことを純粋に愛してくれるかどうかが鍵だったわけで、終盤で明らかになる、気を惹くためのお嬢さんの駆け引きがオモシロかった。

映画お嬢さんは、2人の女の関係を描くことによって、日韓の歴史や関係性を描こうとした、その強引さが凄い!

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お嬢さんという映画を見ていて、日本人としてストレスに感じたのが、韓国人の俳優さんたちのヘンテコな片言の日本語だ。登場する4人のうち、2人が日本人という設定だし、物語の舞台となっているのも、1939年日本に統治されていた時代の朝鮮半島だ。だから、日本語を話す人間が出てきても良いのだけど、うまく日本語を喋れないのであれば、設定を無視して、すべて韓国語のほうが良かったかもしれない。
 
公式サイトを見て初めて知ったのだが、お嬢さんという映画には、イギリス人女性作家が書いた『荊の城』という原作があるのだそうだ。小説のほうがどんな舞台設定なのかはわからないが、監督パク・チャヌクが、日本に統治されていた朝鮮半島を舞台として設定したのは、彼なりの考えがあってのことだ。
 
第一の理由は、女性よりも男性のほうが地位が高かった封建的な時代を舞台設定することで、欲望のために支配ようとする男たちと、その支配から逃れようとする女たちを、より無理なく象徴的に描くことができると考えたからだろう。もし、お嬢さんという映画が現代の設定だったら、大豪邸に閉じ込められて外へ出られないお嬢さんなど、ただのおバカさんでしかない。
 
第二の理由は、監督パク・チャヌクが、4人の男女を描くことで、日本と韓国の歴史と関係性を象徴的に描きたかったからなのだろう。それが成功したのか失敗したのかは、あれこれ頭を整理してみるも、正直なところ僕にもよくわからない。ただ、もしパク・チャヌクが韓国人の立場を正当化したいのであれば、欲望にまみれた2人の男を日本人にして、愛で結ばれる女性2人を韓国人に設定することもできたはずだ。
 
ところが、お嬢さんという映画では、最初から大豪邸に住んでいたお嬢さんと主人という2人の男女が日本人で、大豪邸に入りこむ詐欺師と若い女という2人の男女が韓国人という設定だ。
 
そうすると、大邸宅の主人が行なっている性的欲望を全面的に肯定して、それを独自の解釈で作品化して再生産しようとするところは、パク・チャヌク監督からすると、日本の下劣なところになるのかもしれない。一方で、お嬢さんが持っている相手の欲望を受け入れながら、うまく相手を利用して立場を固めていくところが、日本の優れているところになるのかもしれない。
 
監督パク・チャヌクがお嬢さんという映画に込めたのは、単なるエロティックなサスペンスではない。4人の男女を通して描かれているのは、日本と韓国の歴史であり、関係性であり、男性と女性の対立であり、それぞれの国の男性が持っている欲望や浅はかさ、女性が持っているしたたかさやエロティシズムだ。

お嬢さんという映画で、100人の観客がいれば、100通りの考えや解釈が成り立つような、そんな舞台設定と人間関係を描いたのだから、やはり監督パク・チャヌクは国際的に評価されるべき凄い映画監督だ。

最後に...

日本人男性が持っている浅はかさ100%で書かせてもらうと、韓国の女優さんは、作品のためであれば平気でヌードになってくれるし、きわどいセックスシーンも、真剣に演じてくれるので、エロティックな場面が本当にエロティックで素晴らしかった。日本人の女優さんだとこうはならないだろうなと思いながら、お嬢さんという映画を深くもエロくも楽しむことができた。
 
片言の日本語がどうにも受け入れられないというハンデもあったが、1人でも多くの人に楽しんでほしい映画だったので、ネタバレ覚悟で紹介した。
 
たぶん、この投稿を読んでから、改めてお嬢さんという映画を見ると、新たな発見や視点が見えてくるのではないかと思う。単なるエロティックなサスペンス映画として捉えるのは、あまりに勿体ない。なので、1人ですべてを理解する自信がないという人は、ぜひ映画が大好きな友人とこの映画を見て、あれこれ語ってみるのが良いだろう。
 
最後に、もし監督パク・チャヌクの出世作である『オールド・ボーイ』を見たことがない人は、ぜひ見てほしい。正直、胸クソが悪くなるような映画でもあるのだが、映画監督としてのパク・チャヌクの力量を浴びるほど感じることができるだろう。
 
 

2017.03.24 おの なおと


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