ピクサー流 創造するちからは、ピクサーが想像力と創造性を生みだす秘密を描いた、オススメの本!

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この投稿を書く理由?

ピクサー・アニメーション・スタジオは、世界初の3DCG(3次元コンピューター・グラフィックス)による長編アニメーション映画トイ・ストーリーを制作した会社だ。
 
ピクサーとトイ・ストーリーの大成功は、いろんな意味で歴史的な快挙で、ピクサーとトイ・ストーリーのおかげで、3DCGアニメーションに明るい未来が開けたと言っても過言ではない。
 
このブログを書いている2015年1月までに、ピクサーは14本の長編アニメーション映画を制作していて、そのほとんどを世界中でヒットさせている。
 
幸運にも、僕は、ピクサー映画をすべて劇場で見ていて、トイ・ストーリーを見た時、物語とアニメーションの素晴らしさに感動したことを、今でも忘れられない。
 
そんな、ピクサー・アニメーション・スタジオ創立当初からのメンバーであり、ずっと社長を務めてきたエド・キャットムルが書いたのが、ピクサー流 創造するちから - 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法という本である。
 
ピクサー社の想像力と創造性の秘密を、社長の立場からつまびらかにしたビジネス書であり、これから想像力と創造性に大きく関わる仕事をしていく僕にとって、ぜひ読んでおきたい本でもあった。
 
実際に読んでみて、エド・キャットムルのさまざまな戦いがとても参考になったので、ぜひ紹介させてほしい。


ピクサー流 創造するちから、読んで得られるもの?

 
ピクサー流 創造するちからは、3DCGの発展に貢献した研究者であり、社長として優秀なチームをつくって会社を軌道に乗せるために奮闘してきた、エド・キャットムルが自らの経験を通して、さまざまな気づきや知見を書いた、ちゃんとしたビジネス書だ。
 
研究者としてキャリアをスタートしただけあって、物事や人間関係の奥底にある本質を見極めようとする姿勢や、人や失敗を公平に評価する冷静さなど、感心することしきりだ。
 
というわけで、ピクサー流 創造するちからを読むと、なにが分かって得られるのか? まとめてみたいと思う。
 
 

エド・キャットムルが歩んできた人生がわかる!

 
先にも書いたように、エドは生まれたばかりのCGの研究者としてキャリアをスタートしている。
 
ユタ大学、ニューヨーク工科大学、ルーカス・フィルム(ジョージ・ルーカスの会社)、ピクサーの設立と歩んできて、現在は、ピクサー・アニメーションとディズニー・アニメーションの社長を兼務している。
 
エドの人生を知ると、彼が子供の頃からずっとアニメーションの制作を志してきたことがわかる。
 
そして、絵がヘタクソでコンピューターの研究者となり、生まれたばかりのCGと出会い、3DCGの可能性に気づき、長編の3DCGアニメーション映画を作るまでに、膨大な年月と紆余曲折があったことに驚く。
 
 

ピクサー・アニメーションの誕生から現在までの戦いがわかる!

 
ピクサー・アニメーションが、生まれてすぐに大成功した会社じゃないことは、けっこう有名な話だ。
 
ピクサーが最初に売っていたのは、映画でもなければ、アニメーションでもなければ、CGでもなくて、コンピューターだった。
 
ところが、なかなか売れずに赤字が何年も続いて、最後に自分たちが売れるものとして作ったのが、トイ・ストーリーだった。
 
トイ・ストーリーが大ヒットして、ピクサーが立ち向かうことになったのが、大ヒット映画を作り続けるという新たな困難だ。
 
大ヒットする映画を作るのが、いかに大変で難しいか、ピクサーの中心スタッフたちの戦いを読んでいくと、大ヒットが決して偶然の産物でないことがわかる。
 
 

ディズニー・アニメーションがどうやって復活したかがわかる!

 
ディズニー・アニメーションといえば、2014年に公開され世界中で大ヒットした、アナと雪の女王(Frozen)を制作したスタジオだ。
 
過去には、白雪姫、シンデレラ、美女と野獣、ライオン・キングなど、有名な長編アニメーション映画をたくさん制作している。
 
2006年、ディズニーがピクサー・アニメーションを買収する。
 
そこで、ピクサーの社長であるエド・キャットムルと、中心スタッフであるジョン・ラセターの2人が、低迷を続けていたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの再建を任される。
 
ピクサーで成功した方法が、ディズニーでも通用するのかどうか、2人の挑戦とその結果がわかる。
 
 

ピクサーと共に歩んだスティーブ・ジョブズの姿がわかる!

 
実のところ、僕は、Apple製品をこよなく愛する人間であり、スティーブ・ジョブズを尊敬している人間でもある。
 
なもんで、スティーブ・ジョブズに関する本を何冊も持っているし、何度も読んでいる。
 
だから、Apple側のジョブズの姿はよく知っているのだけど、ピクサー側のジョブズの姿はあまり語られてなくて、今まで、あまり知らなかった。
 
ルーカス・フィルムの中にあって、消滅寸前だったピクサーチームを買収したのが、Appleを追放されたスティーブ・ジョブズだった。
 
とんでもなく傲慢だった頃のジョブズの姿はもちろん、ピクサーが持っている可能性に気づいて、ピクサーの未来や創造性を守ろうとしたジョブズ、ピクサーから愛されたジョブズなど、今まであまり知られていなかったジョブズの姿がわかる。


ピクサーは、いかに独創的なアイディアを守り、チームの創造性を高めようとしているか?

 
ピクサー流 創造するちからを読むと、エド・キャットムルにとっての至上命題が、チームとしての創造性を高めることだというのがよくわかる。
 
研究者だった頃から祈願だったCGでの長編アニメーションの制作に成功して、なおかつ、それが世界的な大ヒットになったのだから、ようやく手に入れた大成功を、少しでも長続きさせたいと思うのも当然だろう。
 
エド・キャットムルが、チームの創造性を高めるために必要だと考えていることは、大きく言って、以下の3つに分けられるのではないかと思う。
 
 

本音で語ることができて、建設的な批評ができる環境が大切。

 
ピクサーが作っているような長編アニメーション映画だと、物語だけでなく映像や表現などもふくめて、無数のアイディアを出して、それを検討しなければならない。
 
だから、どれほど優秀な監督や脚本家でも、最初から完璧なアイディアを出すことはできない。
 
そこで、ピクサーがやっているのが、制作しながら同時に制作した部分をチームで分析して、問題を発見して新たなアイディアを出して、制作をしなおすという方法だ。
 
このやり方を機能させるためには、チームの中で、率直な意見を交換できることが重要だ。
 
相手に気を使ったり、力関係が働いて、本音で建設的な批判ができなくなると、ピクサーのやり方が形だけのものになってしまうからだ。
 
 

いかに独創的なアイディアも、生まれたばかりの頃は醜い。

 
ピクサーが長編アニメーション映画を大ヒットさせ続けるには、独創的なアイディアと物語が、絶対に必要だ。
 
ところが、エド・キャットムルは、自分の人生経験から、どんな独創的なアイディアも、最初は形があやふやで、もろいものだということを知っている。
 
だから、独創的なアイディアが本物に育つには、真のインスピレーションが生まれるだけの充分な時間が必要で、ピクサーでは効率や増産よりもそちらが優先されている。
 
ここ数年のピクサーは、1~2年ごとに長編アニメーション映画を制作している。
 
これだけのペースで、優れた映画を作りつづけるためには、育っている最中の独創的なアイディアが常に存在するわけで、優れたスタッフが多いというのはもちろんだけど、逆から見ると、どんなに醜いアイディアでも、ピクサーなら優れた映画にできる方法や環境があるということでもある。
 
 

どんなに優れた企業文化も、ちょっとした変化で壊れてしまう。

 
ピクサー流 創造するちからの中で、もしかしたら、これがもっとも重要なのかもしれない。
 
というのも、本の最初で描かれるのが、これについてのエピソードだし、エド・キャットムルは本の中で、優れた企業文化を壊すかもしれない、目に見えない要素に目を光らせるのが、経営幹部の務めだと言っている。
 
ピクサー流 創造するちからの中でも、ピクサーやディズニーのような会社でさえ、ちょっとした変化で、本音で語れる環境が壊れてしまったり、独創性が失われてしまったりする、数々のエピソードが登場する。
 
ピクサー流 創造するちからでは、そこでエドが、どのようにその問題に対処して、優れた企業文化を守ろうとしたかも具体的に描かれている。


ピクサー流 創造するちから、描かれているもう1つのスティーブ・ジョブズの姿?

 
エド・キャットムルは、出会った頃のスティーブ・ジョブズのことを、巨大で強力なスピーカーのような存在だと見ていたようだ。
 
そのスピーカーから音楽が鳴りはじめると、あまりのパワーに誰もが圧倒されて、強く影響されてしまう。
 
何としても成功するという決意、大胆な発想、いらだち、無愛想、傲慢、ユーモアのセンスが皆無…というのが、当初のジョブズの姿だったようだ。
 
ところが、ピクサーが、自分たちのコンピューターを売るのを止めて、トイ・ストーリーの制作で大きな勝負に出ようとした頃から、エドとジョブズはお互いを理解し合えるようになったようだ。
 
ピクサー流 創造するちからで、エドが、ジョブズと仕事をする方法を書いている箇所を、そのまま記したい。
 
 

ピクサー流 創造するちから - 86ページ

 

二人の意見が食い違うときは、私は反論するが、スティーブは私よりずっと頭の回転が速いため、言い終える前に論破されてしまうことが多い。そこで一週間かけて考えをまとめ、再び説明する。そこでまた却下されることもあるが、めげずにこれを繰り返すと、次の三つのうちのどれかが起こった。①彼が「なるほど、わかった」と言って要望に応えてくれる。②私が彼の言い分の正しいのを認め、働きかけをやめる。③いくら話しても結論に達しないので、私が最初に提案したことを構わず進める。どのケースも同じくらいの頻度で起こったが、三つ目のケースになってもとがめられることはない。自己主張が激しい反面、情熱を尊重する人だった。私がそこまで信念を持っていることなら、あながちまちがいではないと感じてくれていたようだった。

 
 
スティーブ・ジョブズが、ピクサーを守るために行った仕事のうちに、目に見えるものを紹介しておきたい。
 

  1. ピクサーを株式公開させて、市場から巨額の資金を調達することに成功。
  2. ピクサーをディズニーに買収させて、長期的な安定とパートナーを獲得。
  3. 人と人とのコラボレーションが生まれるように、新社屋の設計を指揮。
  4. スタッフたちの情熱を信じ、価値を認め、それを高め、守ろうとした。

 
ピクサー流 創造するちからでは、最後に“私の知っているスティーブ”という章を設けて、ピクサーとジョブズとの出会いから、ジョブズの死までのことを描いている。
 
ピクサーにとって、スティーブ・ジョブズがいかに大きな存在だったか、いかに親しい存在だったか、読めばそれがわかる。
 
僕のように、ピクサーに思い入れがあって、スティーブ・ジョブズにも思い入れがあると、涙を流しながら読むことになるかもしれない。


まとめ

 
ピクサー流 創造するちからは、想像力と創造性を生みだし、高めるための具体的な事例を描いた、優れた本だと思う。
 
と同時に、夢を追いかけ、夢を実現し、理想を追求しつづける、人間たちのドラマを描いた本でもある。
 
オススメの本なので、ぜひ読んでほしいと思う。
 
 

2015.01.10 - おの なおと


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